新常用和漢薬集
名称 |
オウレン
(黄連)
第十八改正日本薬局方 収載
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英名 | Coptis Rhizome | 生薬ラテン名 | COPTIDIS RHIZOMA |
生薬名:オウレン |
植物名:オウレン,Coptis chinensis,Coptis deltoidea,Coptis teeta |
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基原 |
オウレン Coptis japonica Makino, Coptis chinensis Franchet, Coptis deltoidea C. Y. Cheng et Hsiao又は Coptis teeta Wallich(Ranunculaceae キンポウゲ科)の根をほとんど除いた根茎 定量するとき,換算した生薬の乾燥物に対し,ベルベリン[ベルベリン塩酸塩(C20H18ClNO4:371.81)として]4.2%以上を含む エキス剤又は浸剤・煎剤に限り用いるものについては,その旨を表示する |
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調製 | 定植5年(畑栽培),8 ~ 10年(山地栽培)後,秋期に採掘し,地上部,ヒゲ根,泥土を除去して1~ 2日干し,ヒゲ根の残りを火で焼いた後,磨きにかけ再び日干しする. | ||
産地 | 日本(福井,鳥取,新潟,石川,兵庫,高知県),中国(四川,湖北,陜西,雲南省)などで栽培 | ||
性状 |
不整の円柱形で長さ2 ~ 4 cm,まれに10 cmに達し,径0.2 ~ 0.7 cmで多少湾曲し,しばしば分枝する.外面は灰黄褐色を呈し,輪節があり,多数の根の基部を認める.おおむね一端に葉柄の残基がある.折面はやや繊維性で,コルク層は淡灰褐色,皮部及び髄は黄褐色 ~ 赤黄褐色,木部は黄色 ~ 赤黄色である. 弱いにおいがあり,味は極めて苦く,残留性で,唾液を黄色に染める. |
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成分 |
アルカロイド:berberine(日局18確認,定量), palmatine, coptisine, jateorrhizine, worenine, magnoflorineなど 酸性物質:ferulic acidなど |
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選品 | 地上茎の残基が少なく,堅実で鮮黄色の苦いものが良い. | ||
適応 |
充血または炎症があり,胸苦しい感じ,精神不安,心下部のつかえなどに用いられる. 生薬製剤:整腸薬及び苦味健胃,整腸止瀉薬として配合される. |
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漢方 処方例 |
瀉心湯類(三黄瀉心湯(さんおうしゃしんとう),半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)),黄連解毒湯(おうれんげどくとう) |
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貯法 | 密閉容器 | ||
備考 |
基原植物のオウレンCoptis japonica はこの変種のセリバオウレンC. japonica var. dissecta,及びキクバオウレンC. japonica var. japonicaを含んでいる. C. chinensis は中国で黄連,味連,川連と呼ばれ,四川・湖北・陜西省で栽培されている. C. deltoidea は三角葉黄連,雅連と呼ばれ四川省で栽培されている. C. teeta は雲南黄連,雲連と呼ばれ,雲南省・西蔵自治区に野生している. C. omeiensis (峨眉野連),C. quinquesecta は基原植物として用いられない. 日局品は,エキス剤又は浸剤・煎剤に限り用いるものについては,その旨を表示することとなっている. |
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情報更新日 2022/05/14 |