新常用和漢薬集
名称 |
エイジツ
(営実)
第十八改正日本薬局方 収載
|
||
英名 | Rose Fruit | 生薬ラテン名 | ROSAE FRUCTUS |
生薬名:エイジツ |
植物名:ノイバラ |
||
基原 | ノイバラRosa multiflora Thunberg (Rosaceae バラ科) の偽果又は真果 | ||
調製 | 夏の終わりから秋にかけて,偽果又は果実を採集し,天日で乾燥する. | ||
産地 | 中国,朝鮮半島 | ||
性状 |
偽果は球形,楕円球形又は扁球形を呈し,長さ5 ~ 9.5 mm,径3.5 ~ 8 mmである.外面は赤色~暗褐色で,滑らかで艶がある.しばしば一端に長さ約 10 mmの果柄を付け,他端にがく片のとれた五角形のがくの残基がある.内部には周壁に銀白色の毛が密生し,5 ~ 10個の成熟した堅果がある.堅果は不整有角性の卵形を呈し,長さ約 4 mm,径約 2 mmである.外面は淡黄褐色で,一端は鈍形で他端はややとがる. 僅かににおいがあり,果床は甘くて酸味がある.堅果は初め粘液様で,後に渋くて苦く,刺激性がある. |
||
成分 |
フラボノイド配糖体:quercetinglucorhamnoside, kaempferolglucorhamnoside, multiflorin A, quercitrin, afzelin その他:methyl gallate, lycopinなど |
||
選品 | 色が鮮やかで粒がそろい,果柄の少ないものが良品である. | ||
適応 | 利尿・瀉下作用があり,民間薬として脚気,腎臓病,浮腫などに用いられる | ||
漢方 処方例 |
|||
貯法 | 密閉容器 | ||
備考 |
玉営実,営実仁という別名がある. 過去,基原植物の近縁植物としてテリハノイバラRosa wichuraianaが認められていたが,現在は市場に見られないため日局から除外された. |
||
情報更新日 2022/05/13 |