公益社団法人東京生薬協会公益社団法人東京生薬協会

新常用和漢薬集

名称
ボウショウ (芒硝)
第十八改正日本薬局方 収載
別名 硫酸ナトリウム,硫酸ナトリウム十水塩  
英名 Sodium Sulfate Hydrate 生薬ラテン名 SAL MIRABILIS
ボウショウ
生薬名:ボウショウ

基原 主として硫酸ナトリウム(Na2SO4)の十水和物
乾燥したものは定量するとき,硫酸ナトリウム(Na2SO4:142.04)99.0 %以上を含む.
調製 主に天然鉱物の芒硝を再結晶化して製する.
産地 中国(河北,河南,江蘇,山東省など)
性状 無色 ~ 白色の結晶又は結晶性の粉末で,においがなく,味は清涼感があり,塩辛い.
水に溶けやすく,エタノール(99.5)にほとんど溶けない.
空気中で速やかに風解し,約33℃でその結晶水中に溶け,100℃で結晶水を失う.
成分 硫酸ナトリウム十水和物(Na2SO4・10H2O)
選品 無色透明,無臭,塊状の結晶のものが良い.
適応 緩下,清熱,腸内の津液を補い,便を軟らかくする作用があり,便秘,腹部膨満感を改善する薬方に配合する.
漢方
処方例

調胃承気湯(ちょういじょうきとう) 桃核承気湯(とうかくじょうきとう) 大承気湯(だいじょうきとう) 防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん) 
構成生薬のうち,芒硝・大黄の組み合わせにより,胃腸の炎症による乾燥性便秘・胸腹部の煩悶・うわごとを伴う高熱・口渇を改善する.

貯法 密閉容器
備考 現在用いられている芒硝は含水硫酸ナトリウムであるが,正倉院薬物の芒硝は結晶硫酸マグネシウムと鑑定された.

情報更新日 2022/05/13

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