新常用和漢薬集
名称 |
オウバク
(黄柏)
第十八改正日本薬局方 収載
|
||
英名 | Phellodendron Bark | 生薬ラテン名 | PHELLODENDRI CORTEX |
生薬名:オウバク |
植物名:キハダ,Phellodendron chinense |
||
基原 |
キハダ Phellodendron amurense Ruprecht 又は Phellodendron chinense Schneider (Rutaceae ミカン科) の周皮を除いた樹皮 換算した生薬の乾燥物に対し,ベルベリン[ベルベリン塩化物(C20H18ClNO4:371.81)として] 1.2% 以上を含む |
||
調製 | 7月中旬から8月上旬に,樹齢10 ~ 20年の木を伐採し,樹皮を剥ぎ,周皮を除き天日で乾燥する. | ||
産地 | 日本(北海道,長野,群馬,福井,鳥取,福島県など),中国(四川,雲南,陜西,甘粛,湖北省,広西自治区,東北地方など) | ||
性状 |
板状又は巻き込んだ半管状の皮片で,厚さ2 ~ 4 mmである.外面は灰黄褐色~灰褐色で,多数の皮目の跡があり,内面は黄色~暗黄褐色で,細かい縦線を認めるが平滑である.折面は繊維性で鮮黄色を呈する. 弱いにおいがあり,味は極めて苦く,粘液性で,唾液を黄色に染める. |
||
成分 | アルカロイド:berberine(日局18確認,定量), palmatine, magnoflorine, phellodendrine, jateorrhizine, obakunone, limonin, butenolineなど | ||
選品 | 鮮黄色で苦く,コルク質がないものが良い. | ||
適応 |
消炎,清熱の作用を期待し,薬方に配合する.また,打撲などの外用に用いる. 苦味健胃薬,整腸止瀉薬となる生薬製剤に配合される. |
||
漢方 処方例 |
滋陰降火湯(じいんこうかとう),知柏地黄丸(ちばくじおうがん) 白頭翁湯(はくとうおうとう) 中黄膏(ちゅうおうこう) |
||
貯法 | 密閉容器 | ||
備考 |
基原植物にヒロハノキハダ Phellodendron amurense var. sachalinense, オオバノキハダ P. amurense var. japonicum 及びミヤマキハダ P. amurense var. lavallei も含まれる. 生薬製剤として,陀羅尼助(だらにすけ),お百草(おひゃくそう)などがある. 民間薬:打撲などに外用ハップ剤とする. 生薬の性状について,第十六改正日本薬局方 第一追補において,ルーペ視に基づく記載に代わり,鏡検による記載が収載された. |
||
情報更新日 2022/05/13 |