公益社団法人東京生薬協会公益社団法人東京生薬協会

新常用和漢薬集

名称
キクカ (菊花)
第十八改正日本薬局方 収載
別名  キッカ
英名 Chrysanthemum Flower 生薬ラテン名 CHRYSANTHEMI FLOS
キクカ
生薬名:キクカ
シマカンギク,キク
植物名:シマカンギク,キク
基原 1)シマカンギク Chrysanthemum indicum Linné 又は2)キク Chrysanthemum morifolium Ramatulle(Compositae キク科)の頭花
調製 10月下旬の花の満開期に採集するが,加工法は各産地により異なる.
主にシマカンギクは野生品,キクは栽培品を用いる.
産地 中国(安徽,浙江,河南,湖南省など)
性状 1) Chrysanthemum indicum に由来 径3 ~ 10 mmの頭花で,総苞は3 ~ 5列の総苞片からなり,総苞にはしばしば柄を伴う.総苞外片は線形 ~ ひ針形,内片は狭卵形 ~ 卵形を呈する.舌状花は一輪で,黄色 ~ 淡黄褐色,管状花は多数で淡黄褐色を呈する.総苞の外面は黄褐色 ~ 褐色を呈する.質は軽く,砕きやすい.
特有のにおいがあり,味は僅かに苦い.
成分 セスキテルペン:chrysantherol, chrysanthetriol, chrysanthemol, indicumenone, handelin,
kikkanol A, B, C, D, E, F
フラボノイド:luteolin(日局18確認), apigenin, apigenin-7-glucoside
精油:camphor, trans-carane-trans-2-ol, bornyl acetate, sabinene
選品 芳香があり,あまり苦くない新しいものが良い.
適応 解熱・鎮痛・鎮静・明目作用があり,眼疾患・精神疾患を改善する薬方に配合される.
漢方
処方例

釣藤散(ちょうとうさん)
構成生薬のうち,菊花・釣藤鉤の組み合わせにより,高血圧症やイライラしやすい人の頭痛・頭重感を改善する.

清上蠲痛湯(せいじょうけんつうとう)
構成生薬のうち,菊花・川芎・白芷・羌活・独活・防風の組み合わせにより,各種の頭痛に用いる.また蔓荊子との組み合わせにより,目からの頭痛にも効果がある.

杞菊地黄丸・明眼一方・洗肝明目湯・桑菊飲

貯法 密閉容器
備考 第17改正日本薬局方 第二追補で性状について「総ほうにはしばしば柄を伴う」が追加された.
シマカンギクの頭花は中国では「野菊花」という名で取り扱われている.

情報更新日 2022/05/14

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