新常用和漢薬集
名称 |
サイシン
(細辛)
第十八改正日本薬局方 収載
|
||
英名 | Asiasarum Root | 生薬ラテン名 | ASIASARI RADIX |
生薬名:サイシン |
植物名:ケイリンサイシン,ウスバサイシン |
||
基原 | ケイリンサイシンAsiasarum heterotropoides F. Maekawa var. mandshuricum F. Maekawa 又はウスバサイシンAsiasarum sieboldii F. Maekawa (Aristolochiaceae ウマノスズクサ科)の根及び根茎 | ||
調製 | 土用の頃を中心に根を掘り取り,良く土砂を取り除いて水洗,日陰で乾燥する. | ||
産地 | 中国(遼寧,吉林,黒竜江,山東省),日本(長野,石川,新潟,山形県),朝鮮半島 | ||
性状 |
ほぼ円柱形の根茎に多くの細長い根を付けたものである.外面は淡褐色 ~ 暗褐色を呈する.根は長さ約15 cm,径0.1 cm,浅い縦じわがあり,折れやすい.根茎は長さ2 ~ 4 cm,径0.2 ~ 0.3 cm,しばしば分枝し,縦じわがある.節間は短く,各節には僅かに葉柄や花柄の残基及び数本の細長い根を付ける. 特異なにおいがあり,味は辛く舌をやや麻痺させる. |
||
成分 |
精油(2 ~ 3%):methyleugenol, asarylketone, pinene, eucarvone, safrol, cineol, limonene, 2,4,5-trimethoxy-1-allylbenzene, n-pentadecane, elemicin, 3,4,5-trimethoxytoluene, 2,3,5-trimethoxytoluene, (±)-car-3-en-2-on-5-ol, (±) -ep-oxycaran-2-on-3-ol フェニルプロパノイド配糖体:(±)-asarinolA, (±)-asarinol リグナン:1-asarinin(日局18確認) 辛味物質:pellitorine, N-isobutyl-dodecatetraenamide 抗ヒスタミン活性物質:methyleugenol, kakuol, higenamine |
||
選品 | 白っぽい褐色の細い根で,味が極めて辛く,香りの良いものが良い. | ||
適応 | 鎮静,鎮痛,解熱,鎮咳,去痰作用があり,冷え性,胃内停水,咳嗽,胸痛などを改善する薬方に配合される. | ||
漢方 処方例 |
麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう) 大黄附子湯(だいおうぶしとう) 立効散(りっこうさん) 苓甘姜味辛夏仁湯(りょうかんきょうみしんげにんとう) 小青竜湯(しょうせいりゅうとう),桂姜草棗黄辛附湯(けいきょうそうそうおうしんぶとう) 清上蠲痛湯(せいじょうけんつうとう) |
||
貯法 | 密閉容器 | ||
備考 | 土細辛と称する生薬中にはこれらの辛味性不飽和脂肪酸アミドは検出されない.葉(地上部)が混じってはいけない. | ||
情報更新日 2022/05/16 |