季節の花(東京都薬用植物園)
オモト
(ユリ科 新体系ではキジカクシ科)
有毒植物
撮影日 2022-12-28
植物のある場所 林地
比較的温暖な地方の森林下に生育する、常緑の多年草です。
初夏、黄緑色の目立たない花をつけ、果実は冬に赤く熟します。
当園でみられる野生型のオモトは濃緑色の無地の葉をもちますが、まれに生じる斑入りや葉のねじれなどの「葉芸」をもつ変異個体が珍重され、江戸時代にブームとなった古典園芸植物のひとつです。漢字表記の「万年青」のとおり、常緑の葉は縁起の良さに通じ、現代でも転居や新築、長寿祝いに贈られることがあります。
このように縁起物として親しまれるオモトですが、全草にロデインやロデキシンA~Dなどの強心配糖体を含む有毒植物です。誤って食べれば麻痺・不整脈などを生じて重篤な結果になります。赤く熟した果実は鳥類が食べることがありますが、ヒトには有毒とみられるため、とりわけ幼児などがうっかり口へ入れないよう、注意が必要です。
【分布】本州関東地方以西・四国・九州、中国大陸