公益社団法人東京生薬協会公益社団法人東京生薬協会

新常用和漢薬集

名称
シンイ (辛夷)
第十八改正日本薬局方 収載
英名 Magnolia Flower 生薬ラテン名 MAGNOLIAE FLOS
シンイ
生薬名:シンイ
Magnolia biondii,ハクモクレン,Magnolia sprengeri,タムシバ,コブシ
植物名:Magnolia biondii,ハクモクレン,Magnolia sprengeri,タムシバ,コブシ
基原 Magnolia biondii Pampanini,ハクモクレン Magnolia heptapeta Dandy(Magnolia denudata Desrousseaux),Magnolia sprengeri Pampanini,タムシバ Magnolia salicifolia Maximowicz又はコブシ Magnolia kobus De Candolle(Magnoliaceae モクレン科)のつぼみ
調製 蕾(つぼみ)がまだ開かない早春に摘み取り,枝柄を切り取って,乾燥する.
産地 中国(河南,湖北,安徽,浙江,陜西,四川省),日本
性状 紡錘形を呈し,長さ15 ~ 45 mm,中央の径6 ~ 20 mm,基部にしばしば木質の花柄をつける.苞葉は,通常,3枚で,外面には毛がまばらにあって褐色~暗褐色を呈するか,又は密毛があって灰白色~淡黄褐色を呈し,内面は平滑で暗褐色を呈する.内部に9枚又は12枚の花被片があり,花被片は同形又は外側の3枚が小さい.雄ずいは50 ~ 100本あり,雌ずいも多数ある.質はもろい.
特有のにおいがあり,味は辛くて,やや苦い.
成分 精油: β-pinene, limonene, methyl eugenol, fanchone
リグナン: magnoshinin, magnosalin, frangesin, demethoxyaschantin, aschantin, pinoresinol dimethyl ether, magnolin, liroresinol-B dimethyl ether, biondinin A, B, E
ケイヒ酸誘導体: biondinin C, D
アルカロイド:magnofloline(日局18確認), d-coclaurine, reticuline, liriodenine, yuzirine, N-methyl coclaurine
選品 灰褐色絹様の光沢があり,柔らかい毛を密生し,蕾開かず,花梗の少ないもので,砕けば芳香を発する乾燥した新しいものが良い.
適応 発散・排膿作用があり,頭痛・頭重をともなう鼻炎・蓄膿症などを治療する薬方に配合される.
漢方
処方例

葛根湯加川芎辛夷(かっこんとうかせんきゅうしんい)
構成生薬のうち,辛夷・川芎の組み合わせにより,鼻づまりや鼻炎,頭痛を改善する.

辛夷清肺湯(しんいせいはいとう)
構成生薬のうち,辛夷・梔子黄芩の組み合わせにより,慢性鼻炎や蓄膿症の頭痛・鼻づまりを改善する.

貯法 密閉容器

情報更新日 2022/05/16

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