ムクゲやフヨウ、ハイビスカスと同属の一年草で、直立する背の高い茎に、掌状深裂の葉を互生します。
秋も深まった頃、茎の上部にアオイ科らしい一日花を咲かせ、花の雰囲気はオクラやトロロアオイを思わせます。開花は霜が降りる頃までとなります。
茎から強度のある良質の繊維が採れることから、ロープや網、袋などに利用されます。また非木材紙の原料としても知られ、一時期、栽培がブームになったことは記憶に新しいところです。
学名は Hibiscus cannabinus で、直訳すれば「アサのようなハイビスカス」を意味しており、その名のとおりアサに類似した外観を呈し、当園ではアサの比較植物として栽培しています。
開花前の個体はアサの若い個体に似ています。アサの葉は葉身が完全に切れ込んで分かれている「掌状複葉」ですが、ケナフでは深く切れ込むもののひとつながりの「掌状深裂」である点で、花がなくても区別が可能です。
【原産地】アフリカと推測されるが不詳