静岡県河津町で1955年頃に見出された、カンヒザクラ(ヒカンザクラ)とオオシマザクラの交雑と推定される桜です。沖縄〜台湾原産のカンヒザクラは静岡県に分布しないことから、植栽されたカンヒザクラ系統と、付近のオオシマザクラの中でも早咲きの個体の開花期が重なって、偶発的に生じたものと思われます。 カンヒザクラに由来する濃いめのピンクと、オオシマザクラ譲りの大きな花が相まった華やかさを特徴とし、接ぎ木で殖やされて各地で植えられ、近年人気が高まっています。 「本場」の伊豆・河津町では、既に見頃を過ぎつつあるとのことですが、植物園のある多摩地域は伊豆地方よりも寒冷であるため、これから見頃となります。