公益社団法人東京生薬協会公益社団法人東京生薬協会

季節の花(東京都薬用植物園)

ミミガタテンナンショウ

(サトイモ科)

有毒植物

 

撮影日 2024-03-15

植物のある場所 林地、ロックガーデン

芽生え

落葉樹林や、その周辺に生育する雌雄異株の多年草で、地下に球茎(イモ)があります。雌雄は固定しておらず、その個体の栄養状態によって決まり、よく肥大した球茎から生じる大型(高さ40-50cm程度)の個体が雌株となる傾向があります。画像のものはそこまで大きくなく、雄株と思われます。
花序を覆う仏炎苞(ぶつえんほう)の左右が、耳たぶのように張り出すことからミミガタの名があります。仏炎苞は濃い紫褐色に白いストライプ模様が特徴ですが、ときに褐色が淡く、淡緑色に近い個体も園内でみられます。
茎にみえる部分は、本当の茎ではなく、筒状に巻いた葉鞘(ようしょう)と、中心を通る花柄でできており、偽茎(ぎけい)と呼ばれます。偽茎表面の模様がマムシに似ていることもあり、この仲間を総称してマムシグサと呼んでいます。
芽生え時は、マムシ模様の偽茎が地表から棒状に突き出し、ちょっと植物らしからぬ異様な雰囲気も持ち合わせています。
地上部が現れると速やかに仏炎苞が開き、葉は遅れて展開します。
雌株は結実し、6月頃赤く熟します。テンナンショウ属はいずれも有毒で、果実をトウモロコシ等と間違えて食べて、中毒に至った事例があります。
【分布】本州の東日本太平洋側に主に分布、愛媛県・大分県に隔離分布
【有毒部位】全草、特に球茎・果実
【有毒成分】シュウ酸カルシウムの針状結晶

 ミミガタテンナンショウ 一覧  サトイモ科 一覧 

和名検索        

▲このページの最上部へ