公益社団法人東京生薬協会公益社団法人東京生薬協会

季節の花(東京都薬用植物園)

オタネニンジン

(ウコギ科)

 

撮影日 2020-05-09

植物のある場所 温室裏(日除け下)

緑色の目立たない花ですが、主要な薬草の花ということでご紹介します。
新日本書紀(8世紀)にも記録のある古くからの薬用植物で、高麗人蔘、朝鮮人参などの名で知られます。標準和名はオタネニンジンです。
江戸幕府は国産化に力を注ぎ、8代将軍吉宗の時代(1729年)、日光・今市付近で世界で初めて栽培に成功。各藩ではその種子を拝受したことから「御種人参」が和名となりました。
6月下旬から7月には果実が紅く熟し、種子をつけます。
生薬で「ニンジン」といえば、本種の根のことをさします。
野菜のニンジン(セリ科)は、根の形が似ていたことから、当初セリニンジンと呼ばれたものが、後年、単にニンジンと呼ばれるようになったといわれます。
【生薬名】ニンジン(人参)・コウジン(紅参)
【薬用部分】細根を除いた根(ニンジン)・根を蒸したもの(コウジン)
【用途】漢方処方用薬:新陳代謝機能の改善、保健強壮薬
    (六君子湯、補中益気湯、人参養栄湯、白虎加人参湯など多くの処方に配剤)
    コウジンは後世方派の処方に配合される。
【成分】サポニン(ギンセノシドR0, Ra - Rh)、アセチレン誘導体(パナキシノール)など
【原産地】中国東北部から朝鮮半島

新常用和漢薬集「ニンジン」

新常用和漢薬集「コウジン」

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