公益社団法人東京生薬協会公益社団法人東京生薬協会

季節の花(東京都薬用植物園)

ヤツデ

(ウコギ科)

有毒植物

 

撮影日 2022-11-29

植物のある場所 有毒植物区

林内に生える常緑低木で、自然分布は茨城県以南とされます。東北地方にも分布しますが、植栽からの逸出とみられます。漢字では「八つ手」と表記されるものの、実際には葉は奇数である5, 7, 9, 11裂となる場合がほとんどです。
属名 Fatsia (ファツィア)は、日本語の「はち(八)」に由来するとされます。
有毒なサポニンを含んでおり、トイレの水洗化以前は、うじ殺しに本種の葉を便槽に入れる利用法がありました。耐陰性も強く、しばしば家屋の裏、便所の近くに植えられているのも、そういった経緯からと思われます。
花は晩秋から初冬にかけて、球形をした散形花序をつけます。おしべ先熟で、開花当初は雄性期、その後は雌性期へと移行します。花弁は目立たず、雌性期になると概ね落ちてしまいます。
鑑賞対象とはされないヤツデの花序ですが、花の少ない時期に開花し、豊富な花蜜を分泌することから、昆虫たちには人気があり、多数のハナアブ類やハエ類、またアリなども訪花します(写真にはクロオオアリが写っています)。

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