季節の花(東京都薬用植物園)
エゴマ
(シソ科)
撮影日 2022-09-14
植物のある場所 民間薬原料植物区
本種の果実より得られるエゴマ油(荏油)は乾性油で、ビニル製品などの無かった中世日本では柿渋と並ぶ重要な防水塗料として、和傘、提灯などへ用いられていました。日本では古くは「荏」(え)と呼ばれ、油料作物として各地で栽培されていたようで、荏原、荏田などの地名にその名残を見出すことができます。
一方、韓国料理ではエゴマの匂いが好まれて食用としても発展し、焼肉の付け合わせなどに葉を用いることは広く知られています。
シソ(赤シソおよび青シソ)は、エゴマの変種であるという見解が広く受け入れられています。つまり、エゴマとシソは別種というほどの違いがなく、外見が酷似するのも当然で、近くに植えていれば容易に交雑して香りが変化してしまいます。
【原産地】東南アジアと考えられる。本州~九州に広く野生化