季節の花(東京都薬用植物園)
ルコウソウ
(ヒルガオ科)
有毒植物
撮影日 2021-08-30
植物のある場所 有毒植物区
原産地では多年草ですが、非耐寒性のため、日本では春蒔きの一年草として観賞用に、また日除け用の「緑のカーテン」として栽培されます。
漢字では縷紅草と表記し、縷=糸のように細い茎や葉に、紅色の花が咲く様子を表しています(白やピンクの花をつける品種もあります)。
近縁で赤橙色の花をつけるマルバルコウ(ソウ)は、切れ込みのない広い葉をもち、光合成が盛んであるためか成長が旺盛で、関東地方以西では空地や線路際などに野生化して、群落をなしている様子をしばしば見かけます。
ルコウソウ、マルバルコウ、および両種の交配種とされるハゴロモルコウソウはいずれも、種子に有毒な樹脂配糖体を含み、誤って食べれば下痢や腹痛の原因となります。
なおアサガオの種子にも同じ成分が含まれ、こちらは緩下薬、俊下薬として「ケンゴシ」(牽牛子)の生薬名で日本薬局方にも収載されます。しかし作用が強く、こちらも激しい下痢や腹痛を引き起しうる点において、やはり有毒植物の側面も持ち合わせていることに留意すべきです。
【別名】ルコウアサガオ
【有毒部分】種子
【有毒成分】樹脂配糖体(ファルビチン)
【原産地】熱帯アメリカ