季節の花(東京都薬用植物園)
ウバユリ
(ユリ科)
撮影日 2022-08-02
植物のある場所 林地
花は薄緑色であまり開かず、多くは画像のとおり花被片内側に暗褐色の斑点がみられます(斑点のない個体もあります)。
開花する頃に葉が枯れてほとんど無くなることがあり、葉がない→歯がないの掛け言葉から【姥百合】の和名がついたと言われています。もっとも、木蔭で直射日光の当たらない場所では、開花時にもしっかりと葉が残っている個体も多く観察できます。
花が終わると、卵型~ラグビーボール形の蒴果が育ってきます。開花時は横向きですが、結実すると上向きになります。蒴果は冬季になると3つに裂開し、淡褐色の薄い膜状の多数の種子が現れ、冬の強風に乗って種子散布されます。
北日本の落葉樹林には、花が10個以上つく大型の変種、オオウバユリがみられます。
ウバユリ属 Cardiocrinum は東アジアからヒマラヤに分布する3種ほどが所属する小さな属です。単子葉植物には珍しく葉脈が網状脈となる特徴がありますが、そのほかの性質はユリ属 Lilium との共通点も多く、ユリ属へ含める見解もあります。
【分布】本州(宮城県・石川県以西)、四国、九州