季節の花(東京都薬用植物園)
カントウカンアオイ
(ウマノスズクサ科)
有毒植物
撮影日 2021-11-29
植物のある場所 ロックガーデン
花弁は退化しており、暗褐色の萼片をもつ地味な花を、晩秋に地表すれすれに咲かせます。花は春先までほぼそのままの姿で残ります。
薬用とするウスバサイシンとも比較的近い植物ですが、地域ごとの特産種が多く、分類学的な検討の余地をまだ残すグループでもあります。
日本薬局方ではウスバサイシンをAsiasarum sieboldiiと規定し、本種やフタバアオイをそれぞれ別属とする見解を採用しています。最近ではすべて1つの属(Asarum)へまとめ、前述の各グループは亜属の下の「節」に位置づける見解も多いようです。
本種が属するカンアオイ節(Heterotropa)の大半は「○○アオイ」の和名をもちますが、中には「○○サイシン」の和名をもつものもあります。しかしそれが日本薬局方のサイシン(細辛)を意味するわけではない点には注意を要します。本種や近縁種は腎毒性をもつアリストロキア酸などを全草に含むため、薬用には適しません。
【分布】南関東および東海地方(千葉県・東京都・埼玉県・神奈川県・静岡県・三重県)