公益社団法人東京生薬協会公益社団法人東京生薬協会

季節の花(東京都薬用植物園)

ウマノアシガタ

(キンポウゲ科)

有毒植物

 

撮影日 2022-04-30

植物のある場所 有毒植物区および付近の林地

ウマノアシガタの花弁と萼片

日当たりの良い草原に生育する多年草です。キンポウゲ科には花弁が退化し萼片が花弁状になる植物種も多いのですが、本属はしっかりとした花弁をもちます。花を後ろ側から観察すると、花弁と萼片の両方を5枚ずつそなえていることが判ります(右写真)。
花弁には強い光沢があり、一見するとプラスチックのような質感を有します。
和名については、本種の葉や花が、ウマの脚やひづめに似ているとは思えませんが、一説によると、蹄鉄が普及する以前の江戸時代に使われていた、馬用の「わらじ」の形状と、本種の5弁の花の形が似ているためともされます。
多くのキンポウゲ科がそうであるように本種も有毒であり、汁液の付着による皮膚炎、誤って食べれば嘔吐や神経症状の可能性があります。根生葉の形が薬用のゲンノショウコに似ているため、誤採取に注意する必要があります。
この仲間の科名となっているキンポウゲ(金鳳花)は、ウマノアシガタの八重咲き品種を指す名前、あるいはウマノアシガタそのものの別名とされます。
【有毒成分】プロトアネモニン
【分布】北海道南部から沖縄、東アジア、北東アジア

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