公益社団法人東京生薬協会公益社団法人東京生薬協会

季節の花(東京都薬用植物園)

ショウブ

(サトイモ科 新体系ではショウブ科)

 

撮影日 2022-05-04

植物のある場所 染料香料植物区

5月5日の端午の節句に、菖蒲湯として用いる植物が本種です。
芳香が病邪を払うと考えられたこと、和名「ショウブ」が「尚武」「勝負」に通じることから、武運長久を願う端午の節句に結び付けられたとされます。
しばしば勘違いされていますが、花が美しいハナショウブ(アヤメ科)は香り成分を含まず、菖蒲湯には用いません。
本種は、形態にもとづく伝統的な分類体系(新エングラー体系、日本薬局方が採用)ではサトイモ科に属します。画像にみられる、黄緑色の棒状の花はサトイモ科に特徴的な肉穂花序(にくすいかじょ)とよばれる形態です。同科のもうひとつの特徴である仏炎苞ははっきりしませんが、花序より先の、剣状の葉状部が仏炎苞に相当すると解釈します。
ただし植物体に精油を含むこと、他の多くのサトイモ科が形成する塊茎(イモ)がないことや、DNAの分析からはサトイモ科との相違点もあって、新しい見解(APG分類体系)では独立科のショウブ科としています。
【成分】精油(アサロン、オイゲノールなど)
【分布】日本各地、北半球に広く分布

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