季節の花(東京都薬用植物園)
キハダ
(ミカン科)
撮影日 2022-05-11
植物のある場所 ふれあいガーデン、有用樹木区
樹皮の内面が鮮黄色をしていることが和名の由来で、この樹皮からコルク層を除いたものが生薬オウバク(黄柏)です。
オウバクは陀羅尼助(だらにすけ)、お百草(おひゃくそう)など我が国の伝統生薬製剤として長い利用の歴史があり、もちろん漢方処方においても重要な生薬となっています。
伐採と樹皮の剥ぎ取りは、梅雨の明けた7月中旬から8月、夏の土用のころに行われます。
この時期は木の形成層に水分が多く、樹皮を剥がしやすくなっているため、質の良い樹皮を得るのに適しています。
樹皮を採ったあとの材部は薬用にはしませんが、家具材や工芸品素材として活用されます。
【生薬名】オウバク(黄柏)
【薬用部分】樹皮
【用途】
漢方処方用薬:消炎、清熱(滋陰降火湯、黄連解毒湯ほか)、打撲などに外用(中黄膏)
生薬製剤:苦味健胃、整腸止瀉を目的とした製剤に用いられる
【成分】アルカロイド類(ベルベリン、パルマチン他)
【分布】北海道~九州、朝鮮半島、中国大陸北部、アムール地方