公益社団法人東京生薬協会公益社団法人東京生薬協会

季節の花(東京都薬用植物園)

カキドオシ

(シソ科)

 

撮影日 2024-04-06

植物のある場所 

都市近郊の道端から、林縁、山道の路傍などでもみられる、ほぼ常緑性の多年草です。春に茎を伸ばし始め、高さ10-20cmの頃に開花します。この茎は、夏には1m以上に長く伸長して地表を匍匐し、垣根を通して隣家まで伸びてゆく、という喩えから「垣通し」の和名がついたものです。
葉は茎に対生し、丸いハート型(腎円形)で、丸みを帯びた鋸歯があります。葉に触れると芳香を感じます。
生薬名のレンセンソウ(連銭草)は、丸い葉を小銭に見立て、茎に連なって付くことからの命名です。また小児の「疳の虫」を治すとして「疳取草」(かんとりそう)の異名もあります。
近縁種(基準変種)のセイヨウカキドオシは、本種よりもやや小型で、属名から「グレコマ」あるいはグラウンドアイビーの名で、ハーブとして流通もあり、斑入り葉の品種が植栽されることもあります。
【生薬名】レンセンソウ(連銭草)
【薬用部分】開花期の全草
【用途】利尿、消炎など
【成分】精油(リモネンほか)、タンニン、ウルソール酸など
【分布】日本(北海道から沖縄まで)、中国東部、台湾。変種も含めればユーラシア大陸に広く分布。

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