公益社団法人東京生薬協会公益社団法人東京生薬協会

季節の花(東京都薬用植物園)

ゴシュユ

(ミカン科)

 

撮影日 2024-11-26 見頃!

植物のある場所 有用樹木区(敷地奥)

中国原産の落葉小高木です。雌雄異株で、日本には雌株のみが導入されています。雄株がないため花が咲いても受粉できず、種子は正常に形成されませんが、果実は肥大し、薬用になります。ゴシュユの樹は株元から地下茎をのばし、ひこばえを出して群落を形成するため、種子ができなくても増殖はできます。
果実は油っぽさのある特有の匂いと、熱感のある辛味、残留性の苦味をもち、美味とは言い難い性味をしていますが、温補(おんぽ:身体を温め、不足する体力を補う)の作用があって健胃・鎮痛などの薬方に用いられています。
基原として3種あるうち、日本では Euodia ruticarpa が栽培されています。和名はゴシュユ、ときにニセゴシュユとも呼ばれます。学名の綴りについては Evodia rutaecarpa 等、表記揺れがありましたが、第十六改正にて前述の綴りへ統一されました。ただし、分類学におけるより新しい見解では、属を分けて Tetradium という属に含められています。
【生薬名】ゴシュユ(呉茱萸)
【薬用部分】果実(未熟果実を用いる)
【用途】漢方処方用薬:健胃鎮痛利尿作用(呉茱萸湯、温経湯など)
【成分】アルカロイド(エボジアミン、ルテカルピンなど)
【原産地】中国

新常用和漢薬集「ゴシュユ」

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