公益社団法人東京生薬協会公益社団法人東京生薬協会

季節の花(東京都薬用植物園)

ヒロハセネガ

(ヒメハギ科)

 

撮影日 2023-07-07

植物のある場所 製薬原料植物区(樽)

セネガは北アメリカ大陸の石灰岩地などに分布する多年草で、サリチル酸メチルの特異な匂いがあることは、日本産同属のヒメハギにも似ています。ヒロハセネガは葉幅の広い変種で、分布域の中では南寄りの地域に多くみられるようです。
英語圏ではSeneca milkwortまたはSeneca snakerootと称され、このsnakerootとは、ネイティブアメリカンのSeneca族が、本種の根を蛇の咬傷に用いたことからの呼び名であり、属名および生薬名のSenega(セネガ)の由来となっています。もっとも現在ではそれよりも、気管支炎や気管支喘息の去痰薬として高い利用価値を持っており、セネガ末やセネガシロップとして各種製剤に配剤されています。
日本ではヒロハセネガが明治初期より国内で栽培され、生薬が生産されてきました。このため日本薬局方では基本種のセネガに加え、ヒロハセネガも基原植物として収載されています。
【生薬名】セネガ
【薬用部分】根
【用途】去痰、鎮咳
【成分】トリテルペンサポニン(セネギン II, III, IV)、サリチル酸メチル、油脂分
【原産地】北アメリカ大陸

新常用和漢薬集「セネガ」

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