公益社団法人東京生薬協会公益社団法人東京生薬協会

季節の花(東京都薬用植物園)

ハンゲショウ

(ドクダミ科)

 

撮影日 2023-06-17

植物のある場所 池付近

水辺や湿地に生育する多年草で、地下茎をもち、群落を形成します。
全草にドクダミとはまた異なった、特異な臭気があります。
ドクダミ科の花には花弁も萼片も無く、花自体には装飾用の器官がありません。ドクダミの場合は花序基部に通常4枚の白い総苞があって、これが「花びら」に見えますが、ハンゲショウの場合はそれに代わる装飾として葉が白くなります。花序付近の数枚の葉において、葉身基部の1/3~2/3ほどが白くなり、これが送粉者である昆虫の目を引くと考えられます。
白い部分では、葉緑体の分化が一時的にストップして葉緑素が生成されておらず、花が終わると葉緑素ができて、白い部分も緑色に染まってきます。
雑節の半夏生(7月2日頃)は、ちょうど本種の葉が白くなる時期ですが、これはサトイモ科の野草カラスビシャク(ハンゲ=半夏)の花序が出る頃を指すのが本来の意味とみられます。本種の和名については、葉の半分程度が白くなることから「半化粧」を由来とみる説も有力です。
ドクダミ科は全体で4属6種のみの小さなグループで、日本にはそのうちの2属2種(ドクダミとハンゲショウ)が自生します。
【分布】本州から沖縄、東アジア(中国、ベトナム他)
【別名】カタシログサ(片白草)、サンパクソウ(三白草)

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