公益社団法人東京生薬協会公益社団法人東京生薬協会

季節の花(東京都薬用植物園)

ノカンゾウ

(ユリ科 新体系ではツルボラン科)

 

撮影日 2023-06-24

植物のある場所 染料香料植物区、有用樹木区ほか

原野や川の土手などに生育する多年草です。花は一重咲きで花被片は通常6枚(まれに5,7,8枚)、オレンジ色です。色味には個体差があり、黄色の強いものから赤色、褐色寄りのものまでみられ、紅赤色の強いものはベニカンゾウと称される場合もあります。結実率は高くはないものの、一部が結実して黒色で光沢のある種子を産します。
八重咲きで結実しないヤブカンゾウも似たような場所で見られます。むしろ人里ではヤブカンゾウの方が多く、本種はやや稀で、一部の都府県ではノカンゾウに絶滅危惧種のランク付けをしているところもあります。
日本薬局方が採用する、以前からの分類体系である新エングラー体系では「ユリ科」として長年知られてきた本属ですが、その後提唱されたAPG分類体系では版が変わるごとにワスレグサ科、ススキノキ科と変遷し、現在最新のAPG IV版ではツルボラン科に属しています。
なお、本種のグループは漢字では「萱草」(かんぞう、わすれぐさ)と表記されます。一方、漢方生薬として有名なカンゾウ(甘草)は、日本に自生のないマメ科のグループであり、まったく別の植物であることに留意が必要です。
【分布】本州から沖縄、台湾、中国大陸

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