公益社団法人東京生薬協会公益社団法人東京生薬協会

季節の花(東京都薬用植物園)

ホトトギス

(ユリ科)

ホトトギス

撮影日 2024-10-19

植物のある場所 ロックガーデンほか

雑種系のホトトギス

前置きのつかない「ホトトギス」です。日本固有種で、関東以西の太平洋側山地に多く分布する多年草です。自生地では崖などから下垂して咲く姿を多く見ますが、林縁など明るい場所では茎が立つこともあります。茎の上半分くらいの各葉腋に数個ずつの花をつけ、通常は茎の先端に近い方から開花していきます。
ホトトギスの花被片は通常、白地に紫色の斑点を散らした姿をしていますが、紫斑が大きくて濃い個体や、紫斑を完全に欠いた白い花の個体(シロホトトギス)も、当園でみられます。茎や葉に上向きの毛が密生し、花被片は平開せず盃状となり、花被片基部に濃黄色の斑点があることが、近縁種と区別する特徴となります。

またロックガーデンには、ヒロハノタイワンホトトギスと本種の交雑種も開花しています(右写真)。タイワンホトトギス系とホトトギスとの雑種は、茎・葉の毛がやや少なく、花は茎頂に大きな集散花序となって咲く(葉腋にも少し咲きます)特徴があります。この系統は地下茎でよく殖えて栽培容易で、見栄えのする咲き方であること等から多く流通しており、園芸店などで単に「ホトトギス」と称して販売されることも多々あります。
【分布】北海道南西部、本州関東以西、四国、九州

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