公益社団法人東京生薬協会公益社団法人東京生薬協会

季節の花(東京都薬用植物園)

ハトムギ

(イネ科)

 

撮影日 2024-08-17

植物のある場所 漢方薬原料植物区

雑穀用や薬用として栽培される草本で、水路などに自生するジュズダマとは変種の関係にあります。ジュズダマは多年草ですが、ハトムギは一年草です。
トウモロコシなどと同じく雌雄異花のイネ科であり、画像にみられる紫色の紐状のものが雌花の柱頭で、品種や系統によって白色の場合もあります。ふくらんだ部分が、苞鞘(ほうしょう)と呼ばれ、穀粒になる部分です(種子はこの中にあります)。ハトムギの苞鞘はジュズダマのものよりも長楕円形で、熟した穀粒も指で押せば割れる程度の柔らかさです。
また、ハトムギでは、穀粒が育ってくると、下を向いてきて「頭を垂れる」姿になります。ジュズダマでは、完熟してもずっと上向きです。
苞鞘の先端についている穂の部分は、雄花序です。
【生薬名】ヨクイニン(薏苡仁)
【薬用部分】種皮を除いた種子
【用途】漢方処方用薬:消炎・利尿・鎮痛・滋養強壮作用(薏苡仁湯ほか)
ヨクイニンは日本薬局方収載生薬。一方、脱穀していない、種皮・苞鞘のついたものは「ハトムギ」の名称で日本薬局方外生薬規格に収載されており、民間薬的にいぼとり、肌荒れの改善に煎じて用いられます。
【成分】デンプン、蛋白質、脂肪油など
【原産地】アジアの熱帯から温帯

新常用和漢薬集「ヨクイニン」

新常用和漢薬集「ハトムギ」

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