公益社団法人東京生薬協会公益社団法人東京生薬協会

季節の花(東京都薬用植物園)

オトコエシ

(オミナエシ科 新体系ではスイカズラ科)

 

撮影日 2024-08-31

植物のある場所 漢方薬原料植物区

オミナエシと同属で、白い花をつける多年草です。都市近郊の里山や低山では、自生のオミナエシはすっかり姿を見なくなってしまった一方で、オトコエシの方はまだ、そこそこの頻度で出会うことができます。
茎や花序柄が太く、葉の裂片も幅広で、また茎や葉には白く粗い毛が生えており、全体に「がっしり」かつ「もっさり」した印象を受けます。
和名の由来として、白い花序を男性が食す白飯に、黄色い花序を女性が食す粟飯になぞらえた…という、今や男女差別と受け取られかねない説が比較的知られますが、この説には疑問も呈されています。むしろ、剛直な草姿と、黄色よりも地味な白い花色の印象から、単純に「オトコ」と付けられた可能性も考えられます。
果実が成長すると、周囲を縁取る「翼」が発達するのが特徴で、これはオミナエシの果実にはみられない形質です。
生薬としては、オミナエシと同様、ハイショウコンとして使用されます。分類的にもオミナエシ同様、APG分類体系ではスイカズラ科としています。
【生薬名】ハイショウコン(敗醤根)
【薬用部分】根
【用途】漢方処方用薬:消炎、利尿、排膿作用(薏苡附子敗醤散ほか)
【成分】トリテルペンサポニンなど
【分布】日本(北海道から奄美)、朝鮮半島、中国大陸

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