公益社団法人東京生薬協会公益社団法人東京生薬協会

季節の花(東京都薬用植物園)

リクチメン

(アオイ科)

 

撮影日 2024-08-31

植物のある場所 民間薬原料植物区

アオイ科ワタ属(Gossypium)の仲間は、古代より有用な繊維資源として利用され、植物学の発達以前に、既に世界各地への伝播と交雑が進んでいました。このため、現在の栽培系統の遺伝的なルーツについては、未解明の部分もあります。原種に近いワタ属には、多年草や木本性の種も知られています。
本種は、18世紀頃の北アメリカ大陸で栽培ワタから生じたと推定される、一年草のワタです。現在世界で最も多く栽培されるワタの系統となっています。花は全体がごく淡いクリーム色で、他のワタ類の花に多くみられる、花被片基部の濃色の部分がみられません。一日花であり、しぼむとピンク色に変色します。この画像は午後に撮影したもので、既に花弁の先端からピンク色の発色が伺えます。
綿製品として医療用のガーゼ、脱脂綿等が平成17年まで日本薬局方に収載されていました。現在は医療機器の扱いとなっていますが、そのような経緯により当園ではワタ属の数種を栽培しています。

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