公益社団法人東京生薬協会公益社団法人東京生薬協会

季節の花(東京都薬用植物園)

ハネガヤ

(イネ科)

 

撮影日 2024-09-02

植物のある場所 林地(E区)

丘陵から山地にかけての、やや湿潤な草原のほか、林縁や、疎らな林の下などにみられるイネ科の多年草です。高さは80〜150cmで、同じく当園の林地でみられるイネ科であるノガリヤスよりも大型です。
初秋になると、長いノギと微細な小穂をもった、繊細な円錐花序をつけ、俄然存在感を増します。
草原の開発のほか、疎林の荒廃により林床が暗くなりすぎて生育環境が失われるなどにより、個体数を減らしている植物です。環境省のレッドリストには挙がっていませんが、関東以西の10を超える都県で、絶滅危惧種にランクされています。
北方系に分布の中心をもつ種で、もともと暖かい地方では、近年の気候変動によっても生存を脅かされている可能性もあります。
東京都のレッドデータブック2020年版では、南多摩および西多摩でVU(絶滅危惧II類相当)とされ、また区部と、植物園のある北多摩では自生地に関する情報が乏しく、情報不足=DDに指定されるなど、絶滅が危ぶまれる状況にあります。
【分布】北海道・本州・四国(香川・徳島県)・九州(大分県)、サハリン、シベリア、中国大陸ほか

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