公益社団法人東京生薬協会公益社団法人東京生薬協会

季節の花(東京都薬用植物園)

イヌサフラン

(ユリ科 新体系ではイヌサフラン科)

有毒植物

 

撮影日 2024-09-24

植物のある場所 製薬原料植物区、有毒植物区

地中に鱗茎(いわゆる球根)をもつ多年草です。鱗茎は、水や土がない状態でも、秋が来ると開花する性質があり、コルチカム(コルヒクム)の名で観賞用として栽培されます。大輪や八重咲きの園芸品種があります。
開花時には葉がありません。葉は花の後、11月頃から出て、冬を越して翌年5-6月頃まで光合成を続けます。
本種は、強い毒をもつ有毒植物であり、誤って食べると嘔吐・下痢などを呈し、重篤なケースでは呼吸困難・多臓器不全に至り、生命にかかわる場合もあります。
葉を山菜のギョウジャニンニクやウルイ(ギボウシ類)に、また鱗茎をタマネギやジャガイモと間違えて食した事による中毒事例が複数発生しています。有毒成分のコルヒチンは鎮痛作用等が知られ、痛風の症状改善にも用いられますが、強い副作用があるため、素人療法は厳禁です。
サフラン(アヤメ科)とは名前が似ているだけで、代用にはならないので要注意です。
なおDNAに基づく分類体系ではイヌサフラン科とされています。
【薬用部分】種子、鱗茎
【生薬名】コルヒクム子(種子)、コルヒクム根(鱗茎)
【用途】痛風の症状改善、植物染色体倍加に用いられるコルヒチンの製造原料
【有毒成分】アルカロイド(コルヒチン)
【原産地】ヨーロッパ中南部から北アフリカ

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